未分類 02 雪原編 濃密な闇が、全身を舐(な)めるように通りすぎていく。 あたしはゆっくりと、落ちつづけていた。 恐怖に凍えて、両膝を抱えたかっこうできつく目を閉じている。 こんなの夢だ。 現実のわけがない。 『みつけた。――おまえだ』 低い声が耳朶... 2019.06.22 未分類